「あの大学の英文は難しい」「この参考書はレベルが高い」——比べる基準がなければ、その話は噛み合いません。ここでは大学入試・解釈参考書・長文問題集・教科書・共通テスト・進研模試・駿台模試・英検・校内テストの英文をすべて同一の手続きで採点し、100点満点の指数として並べました。
種別で絞り込み、名前で検索、列見出しをクリックで並び替えができます。行にカーソルを合わせると、下の「ものさし」の上でその位置が光ります。
92項目すべてを 0〜100 の軸に打ちました。右へ行くほど難しい。線にカーソルを合わせると項目名が出ます。色は種別です。──目盛りの両端が空いているのは意味があります。入試や市販教材の英文は15段階のうち真ん中の帯(指数25〜60)に集まる。ここが受験英語の実際の幅です。
英文を1文ずつ採点し、その平均を取ります。ここが肝心で、長い英文がそれだけで高得点になることはありません。見ているのは1文あたりどれだけ重いか。だから短くても密度の高い英文は高く出ます。
15段階を100点満点に置き換えただけの素直な変換です。範囲を引き伸ばしていないので、スコアの比がそのまま指数の比になります。実際の収録範囲は25〜60。「100点満点だから0から100まで使う」わけではなく、指数50は15段階の真ん中あたりを意味します。
下線部は和訳を求められた箇所だけ。出題者が「ここを訳させたい」と選んだ部分ですから、その英文の中でも難しいところが集まります。
本文は大問の英文全体(前期日程・2020年以降。筑波大のみ収録の都合で2017〜2023年)。実際に読み通す分量そのものです。
同じ大学でこの2つを見比べると、その大学が受験生の何を試したいのかが浮かび上がります。一文を精密に訳させたいのか、それとも量を読ませたいのか。
表の各成分も0〜100で出しています。こちらは収録教材全体の中での相対位置で、足し合わせて指数になるわけではありません。「なぜ難しいのか」を見るための内訳です。
東北大は下線部が59で全体1位。ところが本文は50で中位です。大阪大も下線部58に対し本文47。英文全体は標準的なのに、訳させる一文だけを厳しく選んでいるタイプ。
東京科学大は本文50・下線部50で完全に同じ。大阪公立大も本文50・下線部54で差が小さめ。特定の一文で勝負するのではなく、英文全体の負荷が高い出題です。読む速度が問われます。
『英文熟考 下』が58で、京大・阪大の下線部(58)と完全に並びます。『透視図』『ポレポレ』も57。難関大の和訳箇所を想定して作られていることが数字に出ました。一方、通読させる長文問題集は最上位でも53どまりです。
同じ試験なのに、科学の説明文(問7)は49で東大の下線部(48)と並ぶ一方、物語文(問6)は32。1つの試験の中で最下位から中位まで開いています。
進研模試を物語文と説明文に分けると、どの回でも説明文のほうが1.3〜2.6ぶん難しい。しかも物語文は高1 7月の30から高3 7月の39までしか上がらないのに、説明文は39→48と上がり続けます。高2 1月は物語文28(この表で下から3番目)と説明文45が同じ試験の中に同居する回。学年が上がって効いてくるのは説明文のほうです。なお高1 1月は5年とも説明文しか出ません。
4級(25)から1級(60)まで、英検の英文はこの表のほぼ全範囲をひとりで覆います。1級は東北大の下線部(59)を抜いて最高位。準1級(49)は東大の下線部(48)と並び、2級(37)は教科書 Element Ⅰ の Lesson 8(37)と同じ位置。級の名前が、そのまま入試のどのあたりかを指しています。3級(28)・4級(25)は教科書のいちばん易しいレッスン(30)よりさらに下です。
高1の教科書 Element Ⅰ は、いちばん易しい Lesson 5(30)といちばん難しい Lesson 7(45)で指数が15も離れています。L7「Serendipity」は高2 1月の模試の説明文(45)と同じ水準。「教科書だから易しい」ではなく、レッスンによって模試1〜2年ぶんの段差があるということです。ちなみに高1 7月の模試は、物語文が30で L5 と同じ、説明文が39で L6(38)のすぐ上に来ます。
高3 7月の説明文(46)には下線部和訳の英文が含まれています。和訳問題の英文だけを取り出すと57——京大・阪大の下線部(58)とほぼ並びます。同じ試験の中で、長文は42相当なのに和訳の一段落だけが跳ね上がる。ここで点が落ちるのは学力の問題ではなく、出題の設計です。
15段階といっても、数字だけではぴんと来ません。実際に各レベルと判定された英文を、大学が公表した模範解答の和訳付きで並べました。ボタンでレベルを切り替えられます。──下のレベルほど一文が短く素直で、上に行くほど修飾が重なり、訳すのに構造の整理が要ります。
L1〜L2の例がないのは、和訳を求められる箇所にその水準の英文がほとんど選ばれないからです。逆にL13以上は稀で、一文が長く節が三重四重に重なります。
例文は各大学が公表した問題・解答から、レベルの目安を示す目的で引用しています。出典は各例の下に記載しました。