入試・資格分析
Passage Difficulty Index

英文の難しさを
同じ物差しで測る

「あの大学の英文は難しい」「この参考書はレベルが高い」——比べる基準がなければ、その話は噛み合いません。ここでは大学入試・解釈参考書・長文問題集・教科書・共通テスト・進研模試・駿台模試・英検・校内テストの英文をすべて同一の手続きで採点し、100点満点の指数として並べました。

92ITEMS
7AXES
25—60INDEX RANGE
14UNIVERSITIES
01

ランキング

種別で絞り込み、名前で検索、列見出しをクリックで並び替えができます。行にカーソルを合わせると、下の「ものさし」の上でその位置が光ります。

※ 指数は英文の「読みにくさ」を機械的に測ったものです。設問の難しさ・記述量・時間制限は含みません。 ※ 指数=15段階スコア ÷ 15 × 100。0〜100に引き伸ばしていないので、実際に使われるのは25〜60の帯です。小数第1位まで出しているのは順序を潰さないためで、精度の主張ではありません(整数に丸めると89項目が32段階に潰れ、たとえば指数49に8項目が並びます)。1項目の平均のばらつきは指数で中央値 ±1.7、収録数の少ない項目では±5〜10になります。指数2〜3以内の差は誤差の範囲と見てください。 ※ 大学の本文は前期日程(大阪公立大は中期を含む)の2020年以降を対象にしています。ただし筑波大学だけは2017〜2023年です。2020〜2022年・2024年・2025年は収録が無く、2020年以降では2本しか取れないためで、この期間は出題形式が変わっていません。 筑波大学の「下線部」は2009〜2018年のものです。筑波大は前期日程では2015年を最後に和訳問題を出しておらず(2016〜2018年の分は後期日程)、現在の出題には和訳がありません。過去の位置づけとして見てください。 ※ 英検は公式が公開している直近3回(2025年度第2回・第3回/2026年度第1回)の問題冊子から、読解の英文だけを対象にしました。設問文・選択肢・語彙や文法の選択問題・リスニング・ライティングは含みません。5級は読解の大問がないため項目がありません。 ※ 教科書は Element Ⅰ の本文(Lesson 1〜8)で、1 Lesson を1本として採点しています。タイトル・Scene の区切り・段落番号は含みません。 進研模試は2021年度以降を対象にしています。高1・高2は読解の大問2つ、高3はそれに下線部和訳の英文全体を加えたものを、物語文と説明文に分けて集計しています(物語文が出ない回は説明文の行だけ。高2 7月の物語文は5年で1本のみ)。会話表現の大問と要約の大問は含みません。高3 7月は2022〜2026年度、高3 10月(ベネッセ・駿台記述模試)は2022〜2025年度です。 物語文/説明文の区別だけは、本文を読んで人が判定しています(このページの他の数値はすべて機械処理です)。念のため、時制・人名・発話の有無だけで機械判定した結果と突き合わせたところ87本中73本(83.9%)で一致し、「説明文のほうが難しい」という結論はどちらのラベルでも変わりません(差 +1.86/+1.59)。一致しなかった14本はすべて、現在形で語る物語や人名の出ない一人称の物語を機械が説明文と取り違えたものです。 駿台全国模試は大問1・2(長文読解)だけを対象に、高1・高2それぞれ第1〜3回で集計しました(2018〜2024年度・42本)。スキャンPDFのOCRから本文を取り出しているため、年度がそろっていない回があります(高2 第2回は2020年度の2本のみ)。設問文・選択肢・和文・リスニングは含みません。 ※ 長文問題集の Change the World 3冊は、スキャンPDFから本文を起こしているため一部の Unit を外しています(Approach 19/20・Standard 20/20・Advanced 16/20。設問マーカーが本文の途中に混ざって分断された Unit と、OCRにその Unit が含まれていない分)。 ※ 収録数は平均を取った英文の本数です。少ない項目は年度による振れが大きくなります。
02

ものさし

92項目すべてを 0〜100 の軸に打ちました。右へ行くほど難しい。線にカーソルを合わせると項目名が出ます。色は種別です。──目盛りの両端が空いているのは意味があります。入試や市販教材の英文は15段階のうち真ん中の帯(指数25〜60)に集まる。ここが受験英語の実際の幅です。

0 20 40 60 80 100

指数の作り方

難易度指数 = 15段階スコアの平均 ÷ 15 × 100

英文を1文ずつ採点し、その平均を取ります。ここが肝心で、長い英文がそれだけで高得点になることはありません。見ているのは1文あたりどれだけ重いか。だから短くても密度の高い英文は高く出ます。

15段階を100点満点に置き換えただけの素直な変換です。範囲を引き伸ばしていないので、スコアの比がそのまま指数の比になります。実際の収録範囲は25〜60。「100点満点だから0から100まで使う」わけではなく、指数50は15段階の真ん中あたりを意味します。

  1. 英文を1文ずつに分解する
  2. 各文を7つの観点で数値化する
  3. 人の手で難易度を付けた約600文に合うよう、観点の重みを調整しておく
  4. その重みで全文を採点し、平均を取る

「下線部」と「本文」を分けた理由

下線部は和訳を求められた箇所だけ。出題者が「ここを訳させたい」と選んだ部分ですから、その英文の中でも難しいところが集まります。

本文は大問の英文全体(前期日程・2020年以降。筑波大のみ収録の都合で2017〜2023年)。実際に読み通す分量そのものです。

同じ大学でこの2つを見比べると、その大学が受験生の何を試したいのかが浮かび上がります。一文を精密に訳させたいのか、それとも量を読ませたいのか。

03

7つの観点

表の各成分も0〜100で出しています。こちらは収録教材全体の中での相対位置で、足し合わせて指数になるわけではありません。「なぜ難しいのか」を見るための内訳です。

VOCAB語彙のレア度遭遇率の低い単語がどれだけ含まれるか
ABSTRACT語の抽象度目に見えない概念を表す語がどれだけ含まれるか
POLYSEMY語の多義度複数の意味を持つ多義語がどれだけ含まれるか
SYNTAX構文比較の省略・倒置・強調構文など構文を知らないと読みにくいパターンが含まれるか
STRUCTURE構造11文に動詞と接続詞がどれだけ含まれるか
STRUCTURE構造2関係節や準動詞の入れ子、離れた語の修飾がどれだけ含まれるか
LENGTH長さ1文あたりの語数
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読みどころ

59TOHOKU / UNDERLINED

和訳だけ極端に難しい大学

東北大は下線部が59で全体1位。ところが本文は50で中位です。大阪大も下線部58に対し本文47。英文全体は標準的なのに、訳させる一文だけを厳しく選んでいるタイプ。

50SCIENCE TOKYO / FULL TEXT

逆に「通読が重い」大学

東京科学大は本文50・下線部50で完全に同じ。大阪公立大も本文50・下線部54で差が小さめ。特定の一文で勝負するのではなく、英文全体の負荷が高い出題です。読む速度が問われます。

58REFERENCE BOOK

解釈参考書は最難関と同じ土俵

『英文熟考 下』が58で、京大・阪大の下線部(58)と完全に並びます。『透視図』『ポレポレ』も57。難関大の和訳箇所を想定して作られていることが数字に出ました。一方、通読させる長文問題集は最上位でも53どまりです。

49vs 32 / SAME EXAM

共通テストは大問ごとに別世界

同じ試験なのに、科学の説明文(問7)は49で東大の下線部(48)と並ぶ一方、物語文(問6)は32。1つの試験の中で最下位から中位まで開いています

30→48SHINKEN / 物語文 vs 説明文

模試の難しさは学年ではなく「物語か説明か」で決まる

進研模試を物語文と説明文に分けると、どの回でも説明文のほうが1.3〜2.6ぶん難しい。しかも物語文は高1 7月の30から高3 7月の39までしか上がらないのに、説明文は39→48と上がり続けます。高2 1月は物語文28(この表で下から3番目)と説明文45が同じ試験の中に同居する回。学年が上がって効いてくるのは説明文のほうです。なお高1 1月は5年とも説明文しか出ません。

25→60EIKEN / 4級 → 1級

英検だけで表の端から端まで届く

4級(25)から1級(60)まで、英検の英文はこの表のほぼ全範囲をひとりで覆います。1級は東北大の下線部(59)を抜いて最高位。準1級(49)は東大の下線部(48)と並び、2級(37)は教科書 Element Ⅰ の Lesson 8(37)と同じ位置。級の名前が、そのまま入試のどのあたりかを指しています。3級(28)・4級(25)は教科書のいちばん易しいレッスン(30)よりさらに下です。

30→45ELEMENT Ⅰ / L5 → L7

教科書1冊の中に15ぶんの幅がある

高1の教科書 Element Ⅰ は、いちばん易しい Lesson 5(30)といちばん難しい Lesson 7(45)で指数が15も離れています。L7「Serendipity」は高2 1月の模試の説明文(45)と同じ水準。「教科書だから易しい」ではなく、レッスンによって模試1〜2年ぶんの段差があるということです。ちなみに高1 7月の模試は、物語文が30で L5 と同じ、説明文が39で L6(38)のすぐ上に来ます。

57SHINKEN 高3 7月 / 和訳の英文だけ

高3の和訳問題だけ、急に難関大になる

高3 7月の説明文(46)には下線部和訳の英文が含まれています。和訳問題の英文だけを取り出すと57——京大・阪大の下線部(58)とほぼ並びます。同じ試験の中で、長文は42相当なのに和訳の一段落だけが跳ね上がる。ここで点が落ちるのは学力の問題ではなく、出題の設計です

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レベル別例文

15段階といっても、数字だけではぴんと来ません。実際に各レベルと判定された英文を、大学が公表した模範解答の和訳付きで並べました。ボタンでレベルを切り替えられます。──下のレベルほど一文が短く素直で、上に行くほど修飾が重なり、訳すのに構造の整理が要ります。

L1〜L2の例がないのは、和訳を求められる箇所にその水準の英文がほとんど選ばれないからです。逆にL13以上は稀で、一文が長く節が三重四重に重なります。
例文は各大学が公表した問題・解答から、レベルの目安を示す目的で引用しています。出典は各例の下に記載しました。