名詞+-ed の天秤
23.77億語コーパス 全数調査 / 2026-09

名詞+-ed の天秤

the man asked は「男が尋ねた」、 the question asked は「尋ねられた質問」。 綴りは同じ、読みは正反対。1億6,457万文を全数走査し、 該当箇所 139万文をすべて構文解析して、どちらに転ぶかを測った。 サンプル調査ではなく全数なので、3,759ペアの誤差は中央値 ±1.0%

164,573,969走査した文(全数)
14,447,138名詞+‑ed の隣接ヒット
1,388,1081文ずつ構文解析して判定
3,759比率が確定したペア
145本当に割れるペア(.35〜.65)
01 — 同じ動詞、逆の答え

天秤を傾けているのは名詞のほう

同じ asked でも、前に立つ名詞が動作主になれるかどうかで読みが決まる。 動詞は同じ、綴りも同じ、それでも比率は 99.6% 対 3.1% に割れる。

the man asked

SV 99.6% / 過去分詞 0.4% 全1,380件を判定

The man asked for help.
男が「尋ねた」。人は尋ねる側にしかなれない。

the question asked

過去分詞 96.9% / SV 3.1% 全3,230件を判定

the questions asked by the teacher
質問は「尋ねられる」側。名詞を替えただけで反転する。

0.4% のほうも、ちゃんと存在する

the man asked を過去分詞で読む例は、1,380件中わずか6件。 少ないが、まさに教材が扱いたい「読み違える型」そのものだった。

  • … after the man asked to be prime minister failed to secure support …
    =首相就任を要請された男が
  • A man asked to leave a Torrington restaurant allegedly came back later and shot at the door.
  • Sam is one of several hundred young men asked to leave the community.
  • … both men asked what they had learned from the women in their lives.

「割れない」ではなく「稀にある」。出題では、この 0.4% をどう見つけさせるかが山になる。

S V(過去形) N + 過去分詞(後置修飾・分詞)
02 — 名詞の意味クラス

「人」で 84%、「研究・データ」で 22%

名詞を意味クラスにまとめると、きれいな階段になる。 man / men / people / woman / student はひとつの束として扱ってよい —— 個々のペアを覚えるのではなく、この階段を教えるほうが早い

判定済み 138万文を名詞の意味クラスで集計(356語を分類・全ヒットの89.8%を被覆)。 括弧内は代表的な名詞。

03 — 分布

ほとんどのペアは、すでに答えが決まっている

SV率のヒストグラム。両端に山があり、真ん中は薄い。 20〜80% に入るのは 307 ペアだけ。だからこそ、真ん中の 145 ペアが出題として貴重になる。

横軸=SV率(左端=つねに過去形/右端=つねに過去分詞) 縦軸=ペア数

04 — 名詞の力

1つの動詞を名詞で振ると、端から端まで動く

同じ‑ed形に対して、SV側に振れる名詞と過去分詞側に振れる名詞。数字はその名詞と組んだときの SV率。

05 — 手がかり

次の1語より、名詞句が座っている場所

段階ヒントを設計するために、左右の文脈がどれだけ効くかを135万件で測った。 右側で決定打になるのは by だけ。 それより左側 —— 名詞句が文頭にあるか、動詞・前置詞の後ろにあるか —— のほうがずっと強い

名詞句の直前 = どこに座っているか

‑ed 形の直後 = 次に何が来るか

副詞(the man asked quietly)は SV 70% とやや SV 寄りだが決定打ではない。 by 以外の前置詞は 48% で、見せてもコイン投げのまま —— ヒントとして機能しない。

06 — 素材表

3,759ペアを引く

行をクリックすると実例文が開く。割れる=SV率 .30〜.70。 検索は名詞・動詞のどちらでも効く(called, man, study)。

ペアクラスSV ← → 過去分詞 SV率出現数
07 — 作り方

どう測ったか

STEP 1

全数走査

注釈済みコーパスの全1億6,457万文で「名詞の直後の VBD/VBN/JJ」を26並列・8分で全件記録。文頭かどうか、冠詞、直後の語種など11項目つき。

STEP 2

形態のふるい

過去形と過去分詞の綴りが同じ形だけが出題になる。規則‑ed 4,732形+不規則同形 238形を採用、took/taken 型 762形は除外。

STEP 3

全件を構文解析

小型モデルの品詞タグはこの構文が最大の弱点(小説の eyes widened 型を大量に誤る)。1ペアにつき最大400文・計138.8万文を Transformer で解析し、係り受けで SV/過去分詞/無関係に判定。

STEP 4

人手検証

60件を人手で読み、判定器の穴2つ(get受動・目的格補語)を発見して修正。誤差は中央値 ±1.0%、9割のペアで ±3.9% 以内。

08 — 注意

この数字の読み方

これは事前確率であって、ある1文の正解ではない。「どちらに転びやすいか」を当てさせる設計にすること。実際 the man asked にも 0.4% の反例がある。

隣り合っているだけの例は除外している。for some time said(time は副詞句)、data set(複合名詞)、the top of his head exploded(主語は top)など。

割れるペアに小説の体の部位が多い。brow furrowed jaw clenched は付帯状況の分詞と過去形が正面衝突する型で、人間にも割れる。教室で使うなら man found woman called bill passed film made のような一般名詞側を選ぶ。

1ペア最大400文まで。出現数がそれ以下のペアは全数、それ以上のペアは一様抽出400文。母集団を全部読むより、標本数が誤差を決める。